2024年7月1日
議会改革ランキングの上位常連の取手市へ、小笠原の議会活動の参考になればと、視察を提案しました。
取手市の議会改革の取組として下記の点を学ぶことを目的としました。
・オンライン委員会について
・ICT機器(タブレット)の有効活用について
・オンラインを活用した市民との意見交換会について
・出前授業について
特に小笠原は2島1村で、母島の議員が台風により定例会に参加できなかった事があります。このことをICTを活用して解決することに重きを置きました。
・オンライン委員会について
令和2年のタブレット導入から現在に至るまで、2回の委員会条例改正に4回の会議規則改正と、発生した課題に即座に対応していく柔軟性は見習っていきたい。直近の会議規則改正では、一般質問のオンライン参加を可能とした点は非常に興味深い。
オンライン会議に関しての、設備等については現状の小笠原でも十分に実施する事ができるものと思われるが、オンラインの画面越しならではの課題を運用で柔軟に解決している姿勢は参考にしたい。また、オンライン会議実施に向けた条例改正や会議規則改正については、取手市を大いに参考にしたい。
・ICT(タブレット)活用について
決算での現地からのライブ配信活用(オンライン視察)、先進地視察時のライブ配信活用による現地と議会内での同時視察(ハイブリッド視察)、オンライン議案説明およびアーカイブ限定配信は非常に興味深い取組であった。
ライブ配信活用は、限られた予算内で多くの視察先を確保できる可能性が示唆された。また、現状で議案説明は正副議長および正副議会運営委員会長のみの参加であるが、全議員が事前に議案説明を受け、事前準備を行うことで議論が深まる可能性が示唆された。
・オンラインを活用した意見交換会について
取手市は5月、11月の年回、意見交換会を実施している。現在は3拠点をオンラインで結んで一度に実施し、各家庭からオンライン参加の方がいるとのこと。家庭からのオンラインのメリットとして質疑に割り込みが少なく、丁寧にやりとりができること、若い世代を中心にオンラインを好む方がいることが挙げられた。また、かつては議会からの報告事項も有ったとの事だが、現在は聞き手に回り来所者の声を拾うことに注力しているとの事である。
重要な点として考えるのは、意見交換会は開催するだけではなく、拾い上げた声を各委員会や執行部に取捨選択のうえで上程し、なんらかの回答・結論を得ている事であり、開催したことを形にする姿勢が見て取れた。
・出前授業について
市立の中学校に対する議会の出前授業について、その実施内容については、学校側がどの科目で実施するかにより重視する点が変わるという点は興味深いものであった。しかし、いずれにせよ実施には学校側の理解と、手配は議会側で全て行い学校側に負担を強いないことが重要と見受けられた。
なお、高等学校に関しては市立でないことに加え、選挙管理委員会で主権者教育が実施されていることから、実施していないとの話であった。
取手市は議会事務局スタッフ7名に加え、AI文字起こしを活用することで迅速な議事録起こしを事務局内で行える環境など、市の予算規模だからできる事という点もあった。しかしながら、オンライン委員会やオンライン視察、ハイブリッド視察などは、現状の資機材と予算で導入できる可能性を感じるものであった。
2島1村で母島の議員が、定例会時に父島に来島できていない事例もあることから、少なくともオンライン委員会およびオンライン一般質問は導入を検討したほうが良いと感じた。またオンライン委員会が可能になることで、内地の監査委員がオンラインで出席可能となれば、スケジュール調整、旅費などの面で改善が想定される。
市民意見交換会については、オンライン、オフラインのいずれにせよ、議会への関心度を高めるためには、ヒアリングした内容に対し何らかの回答を出す事が重要だと考えており、取手市の取り組みは参考にしたい。
出前授業については、行政を身近に感じて貰う趣旨、小笠原では小学6年生による議会訪問もあり、別途実施するかは慎重に判断したい。
この視察の後、条例を改定し、オンライン委員会を可能に、また、一般質問のオンライン参加が可能となりました。
取手市はオンラインによる議決について国に意見書を出しています。同じ課題を抱える離島域の自治体と連携し、物理的に同一の議場に参集する事が困難な地域ではオンラインでの議案審議が可能にするように活動していきたいと考えています。
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