拓殖大学(元東北大)河村講師による
議員の成り手不足と主権者教育に関する講演会。
議会と住民の距離を縮めるための取り組みとして、議会改革、成り手不足の解消、議員報酬の改善、さらに政治教育(主権者教育)について、宮城県大和町で行われた議会ゼミナールを例に話があった。
議会ゼミナールは2年に渡り行われ、議会の仕事の内容を知ることができたこと(主権者教育)と同時に、参加した学生から、議員の報酬が仕事量に見合わないとの声が出た結果として、議員報酬の増額に繋がったとの事例が示された。
また、議員の報酬の見直しにあたって、注意しなければいけない点として下記の点が示された。
・議員の定数を削減し、残った議員の報酬を上げることは1度しか使えない最終手段である。
議員の定数削減が、住民代表性の確保という民主主義の原則に反してはならないよう気をつけねばならない。つまり、民主主義の考え方に寄れば定数削減は民意を拾い上げる機会の喪失につながっており、より住民との距離を広げてしまう、民主主義の劣化に繋がりかねないという指摘がなされた。
議員定数削減が財政の健全化につながるかという点では、議員の数が交付税の算定根拠となっていることから、削減=交付税減額に繋がるため、健全化には直結しないとの指摘がなされた。
・議員報酬に関する住民の誤解を解くことが大切である。
特に戦前の議員は無報酬で行われており、その認識が根強く残る地域があること。また、議員との距離が遠い人ほど、TVなどのメディアで国会議員や一部の議員報酬の情報のみを見て、自分の地域の議員の報酬も高いと思い込んでいる住民が多い事が示された。また、すでに廃止された議員年金に関する誤解もある。
・議員の年金について
議員年金が廃止され、現在の議員は、年金の有り方が検討されている。
民間では週3日勤務のパートタイマーでも保険や年金の対象となるが、明確な定めのない議員にはそれら保障がない。
これらのことを勘案して議員報酬の改定を進める必要がある。
また、オンライン活用による議会改革についても触れられた。
この点はすでに当村議会では全て対応済みであるとの認識。
議決を伴う本会議のオンライン化はできないとの話は新たなものはなかったが、引き続き二島一村の課題として、オンライン本会議の可能性を模索していきたい。
小笠原村議会では今まさに、議員報酬の見直しに向けて活動を行っている最中である。
村民の代理人としての議員の報酬の有り方を真摯に検討していく必要がある。
一人一人が部分代表であって、それが多様性の縮図だという認識が必要とのことであった。また、議員として必要な素養として、多様な意見の落としどころを模索する調整力が求められるとの話であった。議員として心掛けていきたいと思う。
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